東京都下にある某ベッドタウンのとある一画に、一本の私道を囲んで四軒の家が建っていた。 この土地は元々一軒の大きな屋敷が建っていた場所だったが、その家が引っ越したあと中規模の家屋四軒分に分割されて売りに出されたのだ。
一人暮らしの杉本和子(62歳)はその当時新婚でそのうちの一軒を買った一番の古株だったが、他の家はみな代替わりしてしまい、言い知れぬ孤独を感じていた。
夫は死に、一人息子もずいぶん昔に家出してしまった和子は、四軒の家が仲良くつきあっていた時代をただ懐かしむばかり…
しかしまさか、彼女の土地を巡って密かに、ろくでもない女たちのたくらみが進行していようとは夢にも思わないのであった――…!